善悪二元論を超えて Beyond ability to tell right from wrong. 2003/3/27 final chapter old 13

善悪二元論という考え方がある。
一見すると、ベストな考え方のように思えるが、
しかし、問題点を含んでいる。
これは常に悪があるという考え方である。
悪を倒す。悪が消える。しかし、これで終わらず、さらに悪はいないかと探す。
これでは、永遠に悪を追い続けることになり、いつのまにか悪に逆手をとられ、
そのうちに多少なりとも悪に染まり、結局、天の国は来ないことになる。
イエスキリストは善悪二元論を否定している。

マタイによる福音書(Matthew 5 43-45)によれば、
「あなた方も聞いているとおり、「隣人を愛し、敵を憎め」と命じられている。
 しかし、わたしは言っておく。
 敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。
 あなた方が天の父の子となるためである。
 父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、
 正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。」

イエスキリストは、善人にも悪人にも、その心にダイヤモンドを見たのである。
その心のダイヤモンドは、すすけて、光なきダイヤモンドに見えるが、
されど、心、磨ければ、そのダイヤモンドは燦然と輝く。